facebook
HIRAI Dental Clinic平井歯科医院 医院案内 院長案内 診療案内
治療の流れ アクセス Media

Dental Media

歯の予防や治療法など、歯医者が配信するデンタルメディア

2018年5月 1日
親知らず

悪さをする親知らずは早く抜いたほうが良い3つの理由

歯を抜いたことがある人に、「痛かった」「抜いたあとに腫れた」という話を聞くと、抜歯(ばっし)をするのが怖くなりますよね。

歯を抜くだけだとはいえ、外科的な処置をするわけですから、患者さんが不安に思うのも当然です。

しかし、そういった恐怖から、悪さをするリスクの高い親知らずを放置してしまい、あとで後悔をしている患者さんをわたしは何人もみてきました。

そこで今回は、親知らずを抜くのをためらっている方が、正しい知識を得て余計な心配をしなくてすむように、歯科医師目線から親知らずの有益な情報をまとめています。

 

全ての親知らずが悪さをするわけではない

親知らずがあることを伝えると、患者さんから「全部抜いたほうがいいですか?」と質問をされる場合があります。

その答えは、患者さんの親知らずの生え方や状態によって大きく変わる、といえるでしょう。

なぜなら、一括りに親知らずといっても、抜かなくても良いケースと抜いたほうが良いケースに分かれるからです。

歯を抜きたいという患者さんの希望がなく、特に問題を起こす要素もない親知らずについては、基本的に抜歯をこちらからオススメすることはありません。

なぜなら、親知らずを残しておくことで、後ほど入れ歯やブリッジ(連結した被せ物)の土台に利用できる場合もあるからです。

特に以下の2つのようなケースであれば、抜かないという選択肢を選んでも良いでしょう。

  1. 上下の親知らずがまっすぐ生えて、しっかり噛み合っている
    まっすぐ生えている親知らずは、歯磨きでの清掃もしやすく、歯周病やう蝕(虫歯)によるトラブルが起きにくいです。
    また、上下でしっかり噛みあっていれば、親知らずが噛みあう歯を求めて移動して、周囲の歯に悪影響を及ぼす心配もありません。
    ただし、一番奥に生えている親知らずは、しっかり磨いているつもりでも汚れが溜まりやすいです。抜かない場合にも、定期的に歯医者のクリーニングに通ったり、自宅での歯磨きの仕方に注意をしたりしながら、管理をする必要があるでしょう。
  2. 顎の骨の中に完全に埋まっている
    歯ぐきの内側の骨の中に完全に埋まっている親知らずは、痛みや腫れなどの症状がなければ、抜かなくても大丈夫です。
    そのままにしていても、周りの骨や歯に悪影響を及ぼす心配はありません。
    ただし、親知らずの周りに嚢胞(のうほう)とよばれる膿がたまる病気が見つかった場合には、病気の進行とともに痛みや腫れが出ることが多いため、抜歯をした方が良いでしょう。

以下の4つようなケースは、患者さんにとって親知らずを抜くメリットが大きいです。こちらからも、状況に応じて抜歯をオススメする場合があります。

  1. 親知らずが虫歯や歯周病になった
    親知らずが虫歯や歯周病に侵されていることが判明した場合には、抜歯をした方が良い場合があります。
    なぜなら、奥歯である親知らずは歯磨きのしにくさなどから、一度治療をしても虫歯や歯周病を再発しやすく、腫れや痛みなどのトラブルの元になりやすいからです。
  2. 横・斜め向きの親知らずが手前の歯に干渉している
    横・斜め向きに親知らずが生えていて、手前の歯(前から7番目)に干渉していると、手前の歯の根の部分が吸収されてしまう(溶かされて侵される)ことがあります。
    その状態で長期間放置すると、健康な手前の歯の状態もどんどん悪くなってしまうため、早めに抜く必要があるでしょう。
  3. 中途半端に生えている親知らず
    歯ぐきが覆いかぶさって、歯の一部分のみが見える親知らずは、食べ物が詰まりやすく炎症も起きやすいため、痛みや腫れを発症しやすいです。
    そのため緊急性はないものの、親知らずによるトラブルを避けるために、早めに抜歯をするのが望ましいでしょう。

  4. 噛み合う歯がない親知らず
    歯は噛みあう歯がないと、余白の部分に移動する性質があります。
    そのため、噛み合う歯がない親知らずは徐々に伸びてしまったり、隣の歯を圧迫したりして、噛み合わせや歯並びに悪影響を与えてしまうことがあるでしょう。
    こちらも緊急性はありませんが、後々のことを考えて抜歯をしたほうがメリットは大きいです。

それでは次に、こういった抜いたほうが良い要素をもつ親知らずが生えている場合に、わたしができるだけ「早く抜くのをオススメする理由」について、具体的にご紹介していきます。

 ThinkstockPhotos-820279990.jpg

悪さをする親知らずを早く抜くのをオススメする3つの理由

わたしが患者さんに、悪さをする確率が高い親知らずを早く抜いた方が良いとオススメする理由はとてもシンプルです。

「早く抜いたほうが、心理・物理的に患者さんの負担が減る」ただ、それがわかっているから......。

具体的には主に以下の3つの理由から、抜いたほうが良い親知らずの抜歯を先延ばしにするのは、デメリットが大きいと考えています。

  1. 年齢を重ねると抜くのが難しくなる
    一般的に、若い頃よりも年齢を重ねるほど、以下のような関係で抜歯をするのが難しくなります。

    傷の治りが遅くなっている
    ⇒年齢を重ねると、免疫機能などが低下する影響で、傷がついたり刺激を受けたりした歯ぐきや骨の炎症がおさまりにくく、回復するまでに時間がかかる場合が多いです。

    飲んでいる薬によっては、歯を抜くリスクがあがる
    ⇒高齢になると、若い頃よりも何らかの病気にかかっている場合が多く、薬を常用しているケースが増えるため、歯を抜くのにも注意をする必要があります。仮に、歯を抜くことが決まっても、事前にかかりつけの内科医と相談をして、一定期間は薬の服用を中止する必要がでてくるでしょう。


    【代表的な抜歯に影響与える薬】
    ・出血が止まりにくなる......ワーファリンなどの脳梗塞で服用する抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)
    ・顎の骨が壊死する場合がある......ビスホスホネート製剤(骨粗しょう症やがんの骨転移などに対して有効な薬)
  2. 健康な周囲の歯に悪影響を及ぼす
    抜いたほうが良い親知らずの抜歯を後回しにしてしまうと、本来は抜くだけですんでいたはずの治療がどんどん大がかりになり、治療費用・時間などがかさんでしまう可能性が高いでしょう。
    なぜなら、抜いたほうが良い親知らずの事例の中でも紹介したとおり、問題のある親知らずを放置してしまうと、時間の経過とともに近接する周囲の健康な歯も巻きこまれて、治療が必要な歯が増えてしまうからです。
  3. 痛みや腫れが出ても、すぐに処置できない場合がある
    「痛みや腫れなど、問題が起きてから抜歯をすればいいんじゃないの?」と思う人も中にはいるかもしれません。
    しかし、痛みが出ているときは患部に炎症が起きており、さらに炎症を悪化させてしまう危険のある麻酔を打つことができず、すぐに抜歯ができなくなります。
    結果的に、痛みや腫れが引くまで歯を抜けなくなるので、不快な症状がある状態で耐える時間が増えてしまうのです。